し-て

し-て
し-て
〔動詞「する」の連用形「し」に接続助詞「て」の付いたものから〕
※一※ (格助)
(1)動作の手段・方法などを表す。

「で」の意。 「みんな~やればすぐにできる」「火ばし~はさむ事なし/徒然213」

(2)(「をして」の形で)使役の対象を表す。 古くは「して」だけでもいう。

「彼を~そのような態度をとらしめたものは何か」「かぢとり~ぬさたいまつらするに/土左」

(3)(「にして」の形で)動作の行われる時間を表す。 古くは空間を示すのにも用いられた。

「一瞬に~消え去った」「売り出してからわずか一〇分に~売り切れてしまった」「これやこの大和に~は我(ア)が恋ふる紀路にありといふ名に負ふ背の山/万葉 35」

※二※ (接助)
形容詞・形容動詞, および助動詞「ず」の連用形に接続する。 上の語句を受けて, 下に続ける働きをする。

「労多く~功少ない仕事だ」「明瞭に~かつ簡潔な文章だ」「止むことを得ず~なすべき事おほし/徒然 123」「久しからず~, 亡じにし者どもなり/平家 1」

※三※ (副助)
特にはっきりした意味はなく, ただ語調を整えるのに用いる。

「期せず~意見が一致した」「この映画は題名から~変わっている」「神代より~, さるかざしとなりけむ/枕草子 66」

〔この語は上代からあり, むしろ古語で多く用いられた。 現代語では古語の「して」の用法の残存したものとみられる。 なお, 古くは「し」にサ変動詞としての意味が残っている場合もあり, それは連語とみるべきものである〕

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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